らぶそんぐ

今日も元気にあいどるおたく!

舞台「何者」

舞台「何者」を見てきました。顕嵐くん単独初主演、長妻くんも外部は初となる今回の舞台、前評判は上々だったので、とても楽しみにしていました。

 

 

 

 

銀河劇場は円形の舞台で、3階まであるキャパ750弱の劇場。

椅子は帝劇ほどふかふかではなく、ステージが低めなのか前の人の頭でちょっと見づらい。座ってるシーンが多かったから余計かな。他の劇場に行くと帝劇の素晴らしさがよくわかります。

18時半という少し遅めの開演時間は、平日仕事終わりでも間に合うのでありがたかったです。

 

ただ今回の「何者」に関してはなかなか重い舞台だったので、できれば休日の日中、元気で余力のある状態で見たかったかな…毎日見てたら途中で倒れそう。それを毎日やってる彼らが、いかにすごいかということなんだけれど。

 

 

なんだか、全力のぶつかり稽古を見てるみたいでした。1公演終わったら都度裏でぶっ倒れてるんじゃないかと思うくらい、全力に次ぐ全力!とにかく若さとエネルギーに圧倒されてしまって、見終わった後「なんか…すごかったね!!」という月並みの感想しか出てこなかった。相当体に力が入っていたらしく、椅子から立ち上がろうとしたら体がバキバキでびっくりしました。見てただけなのに(笑)

 

あそこまで感情を爆発させて演技をすることってなかなかないと思うし、顕嵐くんにとって表現者としての一つのスイッチになったんじゃないかなと思います。正直見てる時は「顔に!痣は!作らないでね!?」なんて余計な心配もしてたけど。私自身が外部舞台に慣れてないし、あんな顕嵐君は見たことなかったから、なかなかショッキングではあって(笑)

 

でも、こういう狂気的なお芝居もできるんだなぁってびっくりしたし、2時間半ほとんど出ずっぱりで、カテコの挨拶をして捌けるまでずっと主演としてピーンと糸を張っている様子に、背負うものがあると人はこんなに変わるんだって、顕嵐君にはつくづく思い知らされます。

 

ダンスシーンはもちろんカッコよかったです!顕嵐君が主演となるとやっぱり見に来るのはジャニーズのファンが多いだろうし、重めの内容を演技のみで見るのは舞台ファンでもなければ正直しんどいので…観客の特性をよくわかってらっしゃる。それにしても女優陣はあのダンス一緒に踊るの大変だったでしょう…結構激しく踊ってて、根性あるなぁってちょっと泣きそうになりました。

 

長妻君は、リアコがひどい!あれはただのリアコ!リカさんになって夜中にコンビニに携帯置き忘れたかったし、ポピー畑で手つなぎデートしたかった!なんなんだあのイケメンスタイルオバケ!!!極め付けはカテコのキラキラスマイル。ギャップ萌か!ってただのオタク視点の感想ばかりでごめんなさい(笑)

でもほんとに、初とは思えないくらい演技も自然で、出すぎず引きすぎず、ちょっと嫌味なクールキャラを好演していました。全力早口まくしたてキャラばかりで若干息切れする中、長妻君のニヒルな演技がいいスパイスというか、私的観劇における安息の地となっていました(笑)

 

 

原作も映画も見ていないので、予備知識としては「就活がテーマ」ということだけ。登場人物がどんなキャラクターなのか把握するところからだったので演技がどうとかまで頭がまわらない…というかストーリーの把握もギリギリでした。これは原作を読んでいった方がよかった、もしくは何回か見た方がいい舞台だったかも。最初それぞれの関係性がつかめなくて、登場人物の整理に時間がかかってしまいました。

 

 

超端的に言えば、顕嵐君演じる二宮拓人ら大学生5人が、就活の情報共有や励まし合うためにコミュニティを作り、SNSをキーとしてその人間模様を描いていく物語。テーマは就活だけど、どちらかというとSNSが本題かな?

 

私の就活の時はSNSがここまで発展していなかったから、誰が内定もらったとか誰がどこの会社を受けてるかなんてゼミやサークルの仲間内でしか話してなかったし、そこまで周りを気にして焦った記憶はなくて。でも今は、気にしない方が無理なのかも?誰がどこで何してるか、嫌でも目に入ってくる時代。SNSは広い世界における相対的な自分を視覚化することによって、絶対的な自分の存在を否定してしまう危うさもあると思っています。

 

特に就活中は自分はどういう人間か、強みは何か、何ができるのかを悩む時期だから、そこにSNSという比較ツールが加われば、人によっては追い詰められて爆発してもおかしくないわけで。人からの評価でしか自分を計れないという点で、就活の内定SNSいいね!は似ているなと思いました。なるほどこの組み合わせは目の付け所が鋭いな!直木賞受賞するわけだ…って分析みたいなこと書いてるあたり、私にも拓人な部分があるのかもしれません。というか、こんなブログ書いてるあたり、拓人要素ありまくりじゃん(笑)

 

だからなのか、私には拓人が特別嫌な人間とは思えませんでした。決してイケメンが演じてるからじゃなくて(笑)拓人は理想と現実のギャップにもがきながらも、自分の可能性を諦めずにいる青年なんだと思ったから。

 

特別になりたい、すごいことを成し遂げたい、人に称賛されたいという欲求は、自分を突き動かすパワーになる。彼はそのパワーの矛先を見つけられずにくすぶって持て余しているだけで、特別性格が悪いわけでもダメな人間でもないと思います。だって就活2年生になっても、翌日の面接に備えてESを印刷しようとするやる気がある。未来が見えないながらも前に進もうと歩みを止めていない。弱いわけでも歪んでいるわけでもない、今を一生懸命生きてる若者だなと思いました。

ただ、誰かと比べたり、誰かの批評をすることでしか自分を見ることができない、絶対的な自分の存在を認めてあげられずにここまできてしまったのだろうなと。

 

私が一番心に残ったのは「100点じゃなくても、10点でも20点でもいいから、今の自分を見てもらいなよ!」というセリフ。なによりも大事なのは、自分の存在を自らが認めてあげること、理想とは程遠くても今の自分をちゃんと受け止めて、10点の中の100%を出すこと。就活においても社会でやっていく中でも、本当にこれに尽きると思います。Jr.なんて、まさにそうなんじゃないかな。

 

 囲み取材で「就活生とジャニーズJr.は似ている」と言っていた顕嵐君。舞台役者としてはもちろん、この物語を通じて人としても幅を広げてくれるといいなと思います。

 

とてつもなくパワフルで気迫のこもった舞台、体力的にも精神的にもなかなかくるものがあると思うけれど、千秋楽までケガのないよう、そして顔にあざができないように!笑顔で終えてほしいです。

出演映画の公開も控えている売れっ子顕嵐旋風、一体どこまでいくのか、楽しみです!